いまや経営にIT化は不可欠。
だけど社内に専任のシステム担当者がおらず、どのようにIT化をすすめていけばいいのかわからない、という中小企業も多いハズ。
IPAから「ストーリーで学ぶ要件定義実践入門」という非常にわかりやすい冊子が配布されています。
ストーリー仕立てで要件定義が学べる
この小冊子は、架空の仕出し弁当屋さんを舞台に、社内のIT化をすすめるにあたって、何からはじめて、どのうようにすすめていったらいいのかがわかる、ストーリー仕立てになっている読み物。
目 次
第1話 夢と希望に満ちた皆の理想 ~みんなのベクトルを合わせよう!~
- いろいろなニーズを明確にする ~経営者と従業員で語り合い、ニーズを出し合う~
- どのようなシステムを作るかの前に、どのような業務にするかを検討する ~手作業の IT 化により、業務の改善方法を考える~
- 改革について、全社員をその気にさせる ~今とこれからを比較して、わかりやすい形で説明する~
【コラム】ポンチ絵の重要性と作り方
第2話 視野を広げて解決策を考える ~みんなの理想をITで実現しよう~
- ニーズの抽出が漏れないようにする ~社外の関係者を洗い出し、ニーズを聞き出す~
- いろいろな角度からアイデアを考える ~社内外のニーズに対し、実現方法を考える~
- ・ IT による解決策を考える
~いろいろな IT ソリューションを検討しよう~
第3話 現実は厳しい ~実現できる現実案に絞り込む~
- 制約条件を明確にする ~予算や納期、関われる人数を明らかにする~
- 制約条件を考慮した現実案を検討する ~作り込まずに、標準的な機能を利用する
- 現実案の中から優先順位を決める ~段階的に試行、実現する順番を決める~
【コラム】クラウドサービスとは
第4話 ワクワクの未来に契約 ~要件を具体化すべし!~
- 業務での変化と何がよくなるのかをまとめる ~業務が変わる理由とよくなることを明らかに~
- 関係者と合意形成する ~関係者へ説明し、今後の活動への味方を増やす~
- 要件として定義する ~ベンダ企業の力を借りて要件を固める~
【コラム】RFP とは
はじめてシステム開発する中小企業に非常に参考になる冊子
目次をみてもわかるように、わかりやすさを追求しつつも、制約条件を明確にするなど、あれもこれもやりたがって要件定義がまとまらないままシステム化をすすめて、わけのわからないものができる、というありがちなIT化をポイントをついて防止してくれています。
実際IT化、システム化でネックになるのが予算と期間。
経営層は、低予算でなおかつ機能盛りだくさんなシステムを望みますが、実際には予算を機能は反比例するもの。
優先度を決めて、長いスパンで段階的にすすめていく、ことが環境変化などに対応できてリスクが少ないです。
この小冊子は、はじめてIT化システム化をすすめるに中小企業にとって、非常に参考になる内容となっています。